研究テーマ
「記憶という概念をガラスで可視化し、再構成する」
かたちのないものをかたちにすることは自身が世界と関わり直すための手段であり、他者と感覚を共有するための行為でもあると考え、この研究では記憶という現象そのものを可視化し、物質として立ち上げることを目的にキャスティングでオブジェを制作する。溶けたガラスが時間をかけてゆっくりと冷却されて再度かたちを作っていくプロセスは、記憶が生成されて定着していく過程と重なる。偶発性や空白、歪みといった要素をあえて内包しながら、記憶の「現象」としての性質を抽出することを試みる。また、その存在が見る者に「記憶とは何か」を問いかける視覚的な装置となることを目指したい。
|