栗栖 諒 (Ryo Kurisu)
2001年、長崎県生まれ、400年の歴史を刻んだ城下町で育つ。通学路は武家屋敷通りだった。火山の影響で町のいたるところに水が湧き出ている水の都でもあり、さらさらと流れる水の音が町中を巡っていた。幼い頃から工作や絵を描くことが好きで、透き通ったガラスの表情に惹かれ、2022年、富山ガラス造形研究所に入学。
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研究テーマ
「自分自身の“外殻”についての研究」
生物は自分の身を守る為に様々な形態に変化してきた。それは常に他人の目に晒されてしまうSNS全盛の現代社会を生きる私たちにも同じことが言えるだろう。嫌われないように嘘をつき自分の本心を隠したり、相手の嗜好に合わせた髪型や服装にしたり、それはまるで貝が貝殻に閉じ篭もるように、薔薇が棘を身に纏うように、はたまた毒針を持つ蜂のように。方法は違えど私たちは常に自分自身を守って生きている。こうした自分自身を守る為の外殻について探求していく。
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名古屋芸術大学での研究発表 |
発表テーマ
「感情の儚さの表現」
地球上の生物は、様々な環境に適応して進化してきた。そして目まぐるしく変化を続けている現代社会を生きる私たちも、その変化に対応するために日々進化を繰り返している。
一日を終えるとき自分の中で“今日”を消化し、明日に向けて自分の内側を塗り替えていく。きいろじゃなかったらあおにするし、壊れてしまった部分は上からつぎはぎをして補強をする。そうして新しい自分として目を覚まし、また一日が始まる。同じ“私”は一日として存在しない。それはあまりにも脆く、儚く、美しい。
そんな生きている証ともいえる私の中のこの現象を形にしたい。
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ガラスについて
硬くて強そうだけど、思わぬハプニングですぐに割れてしまうこともあるし、光を反射してきらきらと輝き圧倒的な存在感を放ったかと思えば、その透明性で周囲と同化して見えなくなってしまうことだってある。ガラスってわからない。振り回されながらも、その曖昧さにどうしても惹かれてしまう。
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